2016/09/30

リアリスト

「目に見える」ものだけを判断材料にしようとする思考は、自分の体で触れなかったり、自分の想像力が及ばない場所には何も存在しない、あるいは存在したとしても、自分とは関係ない、と言う考えに容易につながります。(中略)
怒りにかられると視野が狭窄して妄想的になる人がいる一方で、極端なリアリストになる人がいる。そして実は、両者は表裏一体でもある。妄想にとりつかれると人はリアリストになりやすく、リアリストは妄想にとりつかれやすい。(中略)
こうした❝リアリスト❞的傾向が強くなればなるほど、中長期的には引きこもり傾向が強くなるんです。心のなかに怒りが増し、友人関係が狭くなり、人間不信になっていくのです。
―「自分を支える心の技法」名越康文 医学書院 2012

僕らは「真剣に話そう」とすればするほど…

僕らは「真剣に話そう」とすればするほど、自分に嘘をつくようになるからです。つまり、「自分の感情を相手にわかってもらう」ためや「相手が自分を助けたくなる」ための❝物語❞をせっせとこしらえて、それを話すようになる。そうやってつくった物語は、往々にして、自分の内側のどろどろとした感情を隠すものになりがちです。
(中略)
僕らは、依存心を起こせば起こすほど、相手に依存できなくなってしまう。依存するためにつくったつもりの「物語」が、相手に依存しない(できない)方向に働いてしまう。こういう心理はかなり自律的に動いているので、しっかりと意識化しないとコントロールできません。だから、話せば話すほど、物語は自分の感情から離れていき、核心のところは相手に伝わらなくなります。そして、30分で済む話が3時間になり、それでも「私の気持ち」は伝わらず、互いに疲れ果ててしまう。
もちろん、人間の語りなんて、全て作り話といえば作り話しだし、まったく嘘のない「ホントの話」なんていうものは存在しません。問題は、熱を込めて語れば語るほど、物語はあなたの本心から離れたものになってしまう、ということです。

―「自分を支える心の技法」名越康文 医学書院

2016/09/27

「イノベーション幻想」の終わり

2015年公開の映画『セッション』は、音楽学校でドラムを学ぶ青年の話なのだが、特筆すべきは、その主人公の青年が「特別な才能がない人」だということだ。
(中略)
こんな状況で主人公がすることはただひとつ、「努力だけ」なのだ。
僕が注目するのはこの映画を作った監督、デミアン・チャゼルが当時まだ29歳の若者だったという点だ。つまんねぇ夢なんか見て、起こりもしない奇跡を待つより、「限界まで努力する」主人公は、過去の自分をモデルにしている。
―「年上の義務」山田玲司 光文社新書 pp151-152

2016/09/26

ぞんざいに扱う

http://dictionary.goo.ne.jp/jn/131987/meaning/m0u/

けっこう使われている日本語ですけど、漢字表記がない言葉だったことを初めて知りました。

ニーバーの祈り

アルコール依存症の自助団体でよく使われる「ニーバーの祈り」という文章がある。

神よ、私たちにお与えください。
変えることができるものについて、それを変える勇気を。
変えることができないものについては、それを受け入れるだけの冷静さを。
そして、変えることができるものと変えることができないものを見分けられる知恵を。
自己責任は50%、自分ではどうしようもないことが50%くらい、と考えている状態が、自分に甘すぎず厳しすぎず、ちょうどいいくらいのバランスなんじゃないだろうか。

―「しないことリスト」pha 

この一説を知って、ヒザを打った。

現在は情報社会で、理屈や問題と触れる前に解答が示されるような歪んだ側面もある社会である。

ものすごく細かく、様々なことに調べるとすぐお答えがでてくる。しかし、あまりに先鋭化しすぎて、あるときは劇的に効くものも、ある条件下では逆効果だったりする。応用がききにくいくらいになっている。問題のどの部分が自分たちでコントロールできるもので、何ができないものなのかを、しっかり見分けないといけない。

自分の場合は、ギターが好きなのだが、頭のなかで浮かんだメロディを弾けばいいのに、ややこしい音楽理論とかで裏付けがないと、急に不安になってしまったりする現象なのかもしれない。

変えられるものを変えられないものだと勘違いして悩んでしまっていることが多いように見受けられる。これは悲しいことだ。


その割に、変えてしまってはいけないものを、粗暴に扱うことがまかり通っていたりするのが現代の無知の怖さである。しっかり勉強しないとな。


何らかの系を粗暴に扱うことで「オレは怖くなんてないんだぜ!」と粋がることは、たぶんうまくいっている短い時間のあいだだと効果はあるが、いったん系に不具合を起こしてしまっては膨大なコストをかけてリスクを回収しなければならないことが多い。長い目で見てあんまり得なことにならない。得にならないことだから、昔の人はそういう戦略を立ててこなかったんだと思う。

残念ながら、自分の才能は小さいので、昔の人が言っている心構えの話は役に立つ。

2016/09/23

起き抜けの自動思考が…

起き抜けの自動思考が僕たちの心を疲れさせているということに、僕はうつ病の患者さんをみる中で気づきました。うつ病の患者さんの中には、治療を始めるとはじめはすごく元気になるんだけど、一か月もたつとまた調子が悪くなって落ち込んでくるタイプの人が一定数いる。なぜそうなるのか、ずっと原因がわからなかったんですが、患者さんの話を聞いているうちにわかったのは、こういうパターンにに陥る人のほとんどが、朝、目が覚めてから一時間も二時間も、布団の中に居続けている、ということだった。

朝、十分に覚醒していない中でネガティヴな自動思考が生じてくる。ベッドの中でひとり、頭のなかに魑魅魍魎の世界を構築し続けてしまう。「私ってバカだ」「あいつはバカだ」「社会が悪い」「人類は最悪の存在だ」といった暗い思考が、どんどん拡大再生産される。だから、よくいう「生活習慣をととのえましょう」というのは、治療法としては非常に正しいと思います。薬が必要となるケースは少なくないけれども、それはあくまでも手段であって、生活習慣を変えなかったらうつ病は治らない。少なくとも一臨床家として、僕はそう考えています。

2014/09/21

ピックをティアドロップ型にする


単音とかカッティングを行ったりきたりするギターを弾くときは、ティアドロップの方がやりやすいなぁと、ふと思った。

弦とピックの摩擦が小さいような気がする。

オニギリ型は持ちやすくてよかった。しかし持ちやすいぶん、そしてどこのカドでも演奏できちゃうぶん、ズレとかを気にせずギュッと握ってしまう。

ソフトに握りながら、角度を気にしつつ練習をするのは、実はティアドロップ型のほうが良い気がする。